鉱石をさがす

いろいろなくもない大人のたいしたことのない日常

中国茶台湾茶専門店来訪記:靑竈(伊根町)

 以前、京都府伊根町の舟屋に長年店を構える台湾茶専門店「靑竈」にお邪魔してきた。以下思い出話など。

 

4、5人が座れる席。目前に伊根湾が迫る

 靑竈といえばこの座席。お店が運営するInstagramや旧Twitterにいつもこの席越しに見える伊根湾の様子がアップされている。毎日淡々と並べられていく公式SNSのメディア欄も見ていて楽しいが、自分で訪れて感じる雰囲気のよさには替えられない。

 なお、単独での来訪だったためこの席には座らず、手前の2名席にお邪魔した。都合3〜4グループ・8、9人くらいは収容できそうなレイアウトになっていたのも行ってみないとわからないことだった。

 

茶盤の前に小さな茶托と茶杯をセットしていただき、お茶をいただく

 メニューはなくて、案内してくださったご店主におすすめを伺いいくつか挙げてもらったものの中から選んで注文という流れになる。台湾茶中国茶に既にいくらか馴染みがある場合は飲んだことのあるものから味の印象などを、初心者の場合は包み隠さずその旨を伝えるとスムーズだと思う。質問するといろいろ教えてくださるので怖気づかずにいこう。

 一杯目は大禹嶺をいただいた。透明感のある黄緑色の茶湯らしくすっきりとしていて、かつ発酵の甘みもある。寒い日だったので温かさが染みた。ちなみに一杯目はご店主が淹れてくださったうえで2煎目以降の淹れかたなども教えてもらえる。

 一緒に置いていってもらえるポットのお湯がほぼなくなるまで小一時間お茶を楽しみ、これだけじゃあ元は取れぬと二種類目を注文する。

白鷺東方美人を淹れてもらった。1回の注文につきお茶菓子として小さなドライフルーツもついてくる

「白鷺」というのは台湾の茶葉の品種だそうで、台茶17号とも。

 東方美人特有の蜜香はもちろん特徴的だったが、これまで飲んできた東方美人がどちらかというと繊細なイメージがあったのに対してこちらはもっと大胆さを感じるというか。このブログ主がどれくらい食レポが苦手なのかトータル2つ目の記事にして既にありありと滲んでいる。いや、おいしかったです。むしろ個人的には普通の(比較的出回っている青心烏龍や慢種の)東方美人よりこっちのほうが好きかも。

白磁の茶壺とガラスの茶海。お茶を淹れるたびに茶海にすべて移し、茶壺の中の茶葉が蒸れすぎないように蓋を開けておくのが台湾茶器や中国茶器で飲むときのポイント

 

 結局お手洗いも借りつつ3時間くらい長居してしまったが、ご店主に「自分も3種類くらい飲みながら一日中過ごしたりしますよ」とフォローをいただいたりしてありがたい限り。工夫式のお茶は時間をかけて楽しむものなので、急がなくても大丈夫そう。とはいえ長いこと座席を占有したのは変わらないのもあり、せっかく来た機会にとも思い、お会計時に今回飲まなかったお茶の茶葉も購入。グラム単位で売ってくれるのでこれも今の在庫状況を聞いたり自分の好みを伝えるなどして見繕ってもらう。

 家計簿アプリを確認しなおしたところ占めて4,100円也。これだけ飲んで滞在して茶葉も買ってこのお値段、愛好家としては理に適った価格設定だと思う。まあ贅沢な趣味ではあるが。

 店構えの写真なども。(たぶんアップしても大丈夫なはず)

この入口からいわゆる母家というか家主さん(ご店主)の居住スペースの脇を通って1枚目の舟屋スペースを使った喫茶エリアに案内してもらう

 ちなみにこの日は明るい中急に雨が降ったり止んだりする大陸側の海に面した気候らしい天気だったのだが、町並みも湾も薄墨で塗ったようでとてもきれいだった。

舟屋の通り。いちおう、車のナンバーや人影、プライベートな生活用品等がはっきりと映り込まないよう気をつけたつもりではいる

伊根湾を臨む。水平が取れていないのは撮影者の腕前

 

 過ごしやすい季節にもまたお邪魔して違うお茶も飲んでみたい。ありがとうございました。