鉱石をさがす

いろいろなくもない大人のたいしたことのない日常

ちょっとした日常からの抜粋

 数年通っているクリニックがある。

 婦人科である。診療領域が領域なので基本的に自分のことはほとんど洗いざらい白状したうえで通院している。他の泌尿器科クリニックでテストステロン補充を受けていたときにはその経過も含めて見ていただくなどもしていた。

 医師とはラポールが形成できていると感じており非常に助かっていたのだが、通院するといつも激狭の待合室併設の受付で病院事務のかたに出血の有無を口頭で訊かれるというだいぶいやなイベントを通過せねばならず、先日思い切って医師にあれやめてくれんかと相談…したら、あっけないほどあっさりと改善してくれる流れになった。医師自身知り合いからネガティブな意見を聞いたこともあり懸念はしていたそうで運用を考え直すと回答をもらい、長く通っている患者からの意見は通りやすいからと感謝までされた。こちらもありがたいが、いやわかっていたならさっさと変えといていただいて…とは若干思わないこともない。


 

 ともあれ、本件でいちばん起きてほしくなかったシナリオが、私が発した意見が(好意悪意を問わず)私の属性に勝手に回収される、即ち、そういうことを気にするのはこの人が「そういう属性」だからだと一方的に理由づけされることだったので、少なくとも医師の発言や態度からはそのようなジャッジメントが見られず心底ほっとした。こと自分にとって重要な領域についていい医師に巡り会えたのは幸運だと思う。

 サポーティブな人でも(場合によってはサポーティブな人のほうがいろんな先回りをしてしまうことによって)やってしまう先入観の押しつけとも言えて、自分もとにかく気をつけなければなるまいと思った一件だった。